2004年



僕の彼女を紹介します(2004 韓国/ワーナー)
監督:クァク・ジョヨン

 現実離れしすぎたストーリーと強引な展開がどうも「白け」てしまいました。そのせいか細かい
笑いを散りばめてはいるのですがどうも「笑えない」ものが多いです。またやたらにカメラを回
転させることが多く大きなスクリーンでやられると目が回りそうになります。主演女優を魅せる
ために作った作品、という感じがして昔のにっかつの邦画を思い浮かべました。
(品川プリンスシネマ)


ターミナル(2004 米/UIP)
監督:スティーブン・スピルバーグ

 スピルバーグ監督らしい笑いあり、感動あり、そして風刺もびしっと効いた映画です。どこの
国にもいるだろうなと思う自らの保身しか考えない警備局主任、主人公と仲良くなる清掃やケ
ータリング、警備といった空港で働く人がみな黒人やヒスパニック、アジア系なのも今のアメリカ
に対する痛烈な皮肉でしょう。
 キャサリン・ゼタ・ジョーンズ演じるスッチー(こう訳しているところもすごい)も絶対いるだろう
なと思わせるタイプで好感が持てます。あのターミナルビルがセットだというのも大いに驚かさ
れます。ロケでは管理エリアまでは公開できないでしょうから当然ですがさすがにハリウッドは
スケールが違うというか。
(ワーナーマイカル加古川)


青い車(2004 日本/ジェネオンエンタテインメント)
監督:奥原浩志

 本来主人公リチオの幼児期体験のトラウマとやるせなさが主テーマのはずなのですが姉の
彼氏に手を出してしまった妹と主人公の複雑な思いがメインのように感じ、よって何が言いた
いのか非常にわかりづらい作品に見えます。またやたら暗転させ場面転回することが多くテレ
ビドラマのようにCMが入るかのような錯覚さえしてしまいます。
 それにしても宮崎あおいはあんなに太ってたっけ?
(梅田ガーデンシネマ)


レディ・ジョーカー(2004 日本/東映)
監督:平山秀幸

 原作は長編小説だけに描ききれていない部分が多いのだろうなという気がします。競馬場に
集まった実行犯たちが結束した理由もはっきりしません。もっともこれ以上詰め込んでも余計
に見づらくなるだけですから仕方がないでしょう。特に最後の場面は「社会の底辺にいる」とい
う自覚が観る人に無ければ理解できないかもしれません。
 ようやくデビューできた徳重聡もなかなかいい色を出していますが何よりも吉川晃司がいちば
ん映えています。今後のやくざ映画などに欠かせない俳優となるのでは。
(千日前国際シネマ)


笑の大学(2004 日本/東宝)
監督:星護

 「こんな検閲官はいないよ」と思ってしまいますがそれも狙いでしょう。何回も書き直しをさせ
だんだん作品が仕上がっていく。「このまま作品は完成してしまうのか」と思ったところにどんで
ん返しがありさらに悲劇的な結末が。題名からしてコメディのような感じですがとんでもありませ
ん。ぜひとも多くの人に観てもらいたい作品です。
 少々きな臭くなっている世の中だけにこの映画のような時代が来ないことを祈るのみです。
(TOHOシネマズ高槻)


いま、会いにゆきます(2004 日本/東宝)
監督:土井裕泰

 珍しく「原作より映画のほうがよかった」と私に思わせた映画です。特に子役の武井証君がい
い味を出しています。またYOU、小日向文世といった個性的な脇役陣も存在感を示していま
す。ただ家族連れもターゲットにした作品なのにR15指定が必要かも、と思われるような場面
はいくら夫婦だから当然、とはいえまずいのでは。館内も少々騒がしくなりましたし。
(ワーナーマイカル加古川)


恋の門(2004 日本/アスミック・エース)
監督:松尾 スズキ

 松田龍平に「かっこ悪い役をさせる」時点で妙な嬉しさが出てきます。正直「よくわからない映
画」の類に入るでしょうがマニアックな内容を一般受けするように作り上げていることは理解で
きます。私が観た日は「マニア」系が多かったようでいろいろ小さな声が飛び交っていました。
私は全然知らないのですが。
(シネ・リーブル梅田)


80デイズ(2004 米/日本ヘラルド)
監督:フランク コラチ

 ジャッキー:チェンの「80日間世界一周」だと思うと何の違和感もなく観られます。そうでない
と「何でここでアクションが?必然性もないじゃないか」と15分で途中退場すること間違いなし
です。それにしてもジャッキー:チェンも私が小学生ぐらいからアクションスターだったわけだか
ら既に20年。よく動けるなあ。
(梅田ブルク7)


コラテラル(2004 米/UIP)
監督:マイケル マン

 「プロの殺し屋」とは寡黙なものだと思うのはゴルゴ13の影響かもしれませんがこのトム・ク
ルーズ演じる殺し屋ビンセントは喋りすぎます。彼の台詞が後々の展開につながっていくだけ
に喋らないと映画にならないのですがどうも違和感があります。
 話そのものは面白いですし最後までみると本当の主役はジェイミー・フォックス演じるタクシー
ドライバーのマックスだったんだ、と再認識させられます。かっこいいです。
(ナビオTOHOプレックス)


下弦の月 ラスト・クォーター(2004 日本/松竹)
監督:二階 健

 原作は少女マンガなので私は読んだことはありませんが主人公美月や謎解きに活躍する
蛍、雄一の年齢はマンガの高校生、小学生から大学生、中学生に変更されておりそれを含め
て原作ファンからの批判が多いようです。
 しかし原作の年齢だと私はまず観なかったでしょうし幅広い層に受け入れられることを考える
と成功だったと思います。
 私が観た日は水曜日だったこともあり約100人の観客のうち男性客は10人程度という(カッ
プルの片方含む)非常に恥ずかしい状況だったことも申し伝えておきます。
(シネ・リーブル梅田)



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