2005年前期


アビエイター(2004 米/松竹・日本ヘラルド)
監督:マーティン・スコセッシ

 アカデミー主演男優賞の候補でありながら獲れなかったレオナルド・ディカプリオ。いろいろ理
由はとりだたされていましたが観てみてわかりました。優男過ぎて迫力がないのです。もちろん
私はハワード・ヒューズに会ったことはありませんがあれだけエネルギッシュな人なら相当のパ
ワーというか迫力がにじみ出ていると思うのですがそれがディカプリオからは見えませんでし
た。
(ワーナーマイカル加古川)


レーシングストライプス(2005 米/松竹・ギャガコミュニケーションズ)
監督:フレデリック・デュショー

 実際に野生でしかも群れを作って生きているシマウマが人間に調教され競走することができ
るのかどうかは疑問ですがそういうことを考えず楽しむ映画です。特に中盤だれたころに登場
してくるハエはなかなか面白く子供たちを飽きさせない作りになっています。動物たちだけでな
く人間たちにもドラマがあるところで大人たちも楽しめます。
(梅田ピカデリー)


香港国際警察 NEW POLICE STORY(2004 香港/東宝東和)
監督:ベニー・チャン

 やはりジャッキー・チェンは香港でこそ輝きます。年齢を感じさせないノースタントのアクション
シーン(エンディングでメイキング、NGシーンが見られます)は時間もを忘れさせ、気がついた
らエンディング、というくらいのテンポでした。ストーリーには辻褄の合わないような内容も多い
のですがそんなものを忘れさせてくれるほど迫力のある映画です。
(ナビオTOHOプレックス)


渋谷物語(2004 日本/東映)
監督:梶間俊一

 会社の先輩で高校生の頃から東映の映画しか観なかったという人がおり安藤昇は迫力が違
う、さすが本物だなどとよく言っていましたがその安藤昇の愚連隊時代の話です・・・がもうひと
つ迫力不足というか予算が少なかったんだなと同情してしまうような内容です。Vシネマだった
らこんなもんかと思って観るでしょうけど。まあ私も知り合いが出演しているから観ただけのこと
ですが。村上弘明と南野陽子のからみはどこかで見た覚えがあるんですが何だったっけ。
(天六ユウラク座)

こういう看板(もちろん絵)はいまどき誰が描いているのでしょうか。


ビフォア・サンセット(2004 米/ワーナー)
監督:リチャード・リンクレイター

 飛行機が出るまでというわずかな時間を惜しむように元恋人の二人がしゃべりまくる映画で
す。出演の二人も脚本に関わっており会話はきわどい内容やウィットにとんだジョークが含ま
れており字幕を追いかけていては半分くらいしか楽しめないような感じがします。英語とフラン
ス語がわかる人ならもっと楽しめるのかも。洋画には非常に珍しいスタイルに思えます。
 二人の会話には思い当たることが結構あり、もし私も9年ぶりに会話したらこんな感じになる
のかなという予感がしました。
(梅田ガーデンシネマ)


パッチギ!(2004 日本/シネカノン)
監督:井筒和幸

 気がついてみたら今年初めて観る邦画でした。京言葉と朝鮮語の融合が非常に新鮮な映画
です。過去のしがらみを捨てられない大人たちにぶつかっていく若者像が描けています。思想
的な批判は全て跳ね返すだけのパワーがみなぎっている映画です。
 特に最後のキョンジャの台詞が効いています。
(シネカノン神戸)


レイ(2004 米/UIP)
監督:テイラー・ハックフォード

 文字通りレイ・チャールズの半生(製作中に本人が亡くなり一生になってしまったが)を描いた
映画ですがレイを演じるジェイミー・フォックスは本人にしか見えない熱演です。レイの業績とい
うよりはヘロインや女性関係といった暗の部分をメインに出しておりまたそんなレイを操縦する
妻の存在の大きさが際立っています。
 ただ「恋愛しないと曲はかけないよ」と嘯くミュージシャンは多いですがこの映画でもそれを押
し出すのはどうでしょうか。
(動物園前シネフェスタ)


ネバーランド(2004 英・米/東芝エンタテインメント)
監督:マーク・フォスター

 古きよき時代のイギリスを感じることができる映画です。同時にそれに対するひずみがピータ
ーパンの作者でこの映画の主人公であるジェームス・バリの発想の元になっているような気が
しました。ケイト・ウィンストレットが4人の子持ちの母親?と思ったのですがもう29歳なんです
ね。
 実話を基にした映画ということですがバリとコナン・ドイル(作家)は本当に友人だったのでし
ょうか。それが少々疑問です。
(千日前セントラル)


TAXI NY(2004 米・仏/FOX)
監督:ティム・ストーリー

 フランスからアメリカに舞台を移しよりアクションが派手になりました。やはりアクション映画
はアメリカが本場だなと実感します。また主人公のタクシードライバーがメッセンジャーから転
職した女性というのも面白いです。ただジミー・ファロン演じる刑事は「優秀なのだが運転だけ
が苦手」という設定なのにどう見ても優秀とは思えない、単なるドジな刑事なのですが。もうちょ
っと彼にもいいところを・・・。
(ナビオTOHOプレックス)


スーパーサイズ・ミー(2004 米/クロックワークス)
監督/被験者:モーガン・スパーロック

 数年前に「太ったのはマクドナルドのせいだ」と10代の少女がマクドナルドを告訴したニュー
スを聞いたとき私は「アメリカの訴訟社会はここまで来たか」と思ったものですがこの監督は彼
女たちに言い分があるのかどうか確認するため1ヶ月間毎日3食マクドナルドという実験を自ら
行いそのドキュメンタリーがこの映画です。
 マクドナルドを攻撃する目的ではなく学校給食や病院にまでファーストフード店が入り込んで
いるアメリカの食文化の現状に対する警鐘として非常にショッキングでNHKスペシャルのよう
な内容なので非常に重たいのですが私が観た映画館では満員でした。
(梅田ガーデンシネマ)



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