浜名湖競艇


 初訪問から9年。別に嫌いなわけでもなくなぜか足が向かなかった浜名湖に再訪問しまし
た。今年(2004年)はグラチャンがあるのか、いい機会だなと思っていたところにpoohさんか
らお誘いを受け、浜名湖花博開催中で宿泊施設が見つからないところをザビエルさんに手配
して頂きと皆さまのご協力を得ていつもと違う旅打ちと相成りました。その模様はpoohさんの
ホームページで見ていただくとしてこちらではあくまでも私のみの視点で見た浜名湖を。


走行中の新幹線から見た競艇場

 朝の八時に職場をあがり大急ぎで最寄り駅に向かう。この日の6レースに冠レース「pooh軍
団結成記念」が組まれており何とか間に合わないといけない。当初予定では名古屋まで近鉄
でそれから名鉄とJRを乗り継いで・・・・と考えていたのだがそれでは間に合わない。新幹線ま
で豊橋まで直行せねばなるまい。地下鉄梅田駅近くの金券ショップで豊橋までの切符を買いウ
インズ梅田へ。8時50分で機械は止まっているが最前列に並び動くのを待つ。9時になり発売
中の表示が出ると同時に現金を入れ宝塚記念の馬券を購入し大阪駅へ向かう。新大阪駅に
ついたのは9時13分。お土産を購入しこだま号に乗り込むと間もなく動き出した。poohさんか
らあと1時間くらいで浜名湖に着くというメールが来たのでこちらも新大阪を出たよと返信する。

 勤務明けだし寝ようと思うが寝付けない。こだま号はがらがらで静かなのに。そう、朝起きて
から何も食べていなかったのである。急ぐあまり考えていなかった。そしてこういう時に限って
喫煙の自由席である15号車まで車内販売は来ない。それでも京都を出てから寝てしまったら
しい。そして再び空腹で目が覚めた。外を見るとブリヂストンの工場が見えたので彦根の手前
の多賀あたりだろう。こだまは米原でのぞみ待ちで数分停まるに違いなく駅弁を買う事にす
る。

 予想通り7分間停車するとの事だったので先頭に近い15号車からホーム真ん中あたりの売
店までゆっくりと歩く。平日なら勝手知ったサラリーマンが評判のよい駅弁の品定めをしている
だろうが土曜日という事もあり旅慣れた人は少ないらしくわざわざ買いに出てくる人はおらずお
ばさんも暇そうだった。朝からステーキ弁当を食べる気にはならず新発売だというおかかごは
んにする。お兄さんには量が少ないかも、とおばさんは言ったが朝だしこれくらいでいいよと答
えておくがやはり少なすぎた。この方が健康にいいんだと無理矢理納得させふてねしようとす
るが今度は本当に眠れなかった。そのまま名古屋、三河安城と進む。豊橋で降りる直前にな
ってようやく車掌が改札に回ってきた。車掌が来たら「新居町まで」と言ってわかるかどうか試
そうと考えていたが(旅行記の「浜名湖・蒲郡」参照)おそらく「間もなく豊橋ですのでお降りにな
ってから・・・」と言われるのがオチだろう。試す機会を失ってしまった。

 乗り換えの普通列車まで時間があったのできしめんを食べる。浜名湖花博やらグラチャンで
満員の普通列車に乗り込み約20分で新居町へ。新大阪を出て2時間と少しだからやはり新
幹線は速い。

 
新居町駅のホームから見た競艇場              専用改札口への通路

 普段使用しない競艇場方面の出口へ跨線橋を進み精算窓口へ。「はい400円」の声と同時
に出てきた精算券はボール紙にスタンプを押しただけのものだった。いくらでも偽造できそうだ
が精算窓口と改札は目の前なので無理だろう。

 駅を出ると運河の橋を渡る。新幹線から見るともう少し近いような気がしていたのだが実際
には4〜5分かかって競艇場についた。1マーク側から入ってもよかったのだがあのホテル風
の入口に敬意を表し正面から入る事にする。結果的に正解だった。

 
正面入口のアトリウム                     広い水面と掲示板・ビジョン以外何もない対岸

 蟹が巣を作っている地下道を通り抜け競艇場に入ると広いアトリウムが広がっていた。感じ
としては津競艇場だが規模は大きい。泊まりがけなので大きな鞄を持っており荷物を預けよう
と預かり所を探すがコインロッカーは全て埋まっていた。もっともコインロッカーに入るような大
きさでもないので傘預かり所に行くと預かってくれた。住所を書くようにいわれたので「大阪」と
書きびっくりされるかなと思ったのだが何も言われなかったので拍子抜けだった。ちなみに帰り
に駐車場を見ると北九州ナンバーの車が停まっていた。大阪くらいでは驚かれないはずであ
る。なぜ「結果的に正解だった」のかと言うと荷物の預かり所は正面にしかなく1マーク側から
入っていると荷物を抱えて場内をうろうろしなければならなかったのである。

 
 身軽になって既に来場されているはずのpoohさんはじめメンバーを探す。住之江で一度会
っただけだというのにすぐに合流できてしまったのは空気の波長が合っていたからに違いある
まい。いや、独特の雰囲気を醸し出していたのかも。poohさんは見ず知らずのおじさんに「6
レースのpooh軍団だろ」と声をかけられたというし。

 さて問題の6レースは準優勝にも乗れなかった松井繁が出ていた。モーターそのものはだい
ぶ直してきたが乗りにくさは相変わらずのようだった。SGレーサーがお土産(1着)持たずに帰
るわけには行くまい。準優メンバーのいない今日はチャンスだろう。と思い松井の頭から購入
した。しかし松井のテクニックを持ってしてもカバーできず着外でレースを終えた。このレースを
見てしまったからこそ明日の悲劇につながるのだが。
 この日は2レース的中しただけだが3,000円台が2本ということもありプラス収支で終わっ
た。NOBUさんの車に乗っけてもらい宿泊先の施設へ。4階建てのこじんまりしてところだが部
屋は浜名湖の潟に面しており鳥たちが休んでいるのが見えた。地元のザビエルさんによるとこ
のあたり(弁天島)は汽水の浜名湖でも海水が強いところでアサリがよくとれるそうな。フロント
にも潮干狩りの案内が出ていた。

 一休みの後オフ会会場の料理屋へ。舞阪は漁師町でヘタな料理屋はどやされる、ということ
でどこもレベルが高いらしい。その話に尾鰭はなく海の幸が満載の料理は十分に満足だった。
私は海老があまり好みではないのだがきれいに平らげてしまった。どこかの倉庫で眠っていた
ような冷凍エビではなくつい先ほどまで生きていた海老なのだろう。
 元々飲めない上に勤務明けで寝不足ということもありグラス半分くらいのビールといいちこの
水割りですぅーと睡魔が押し寄せ後半のことはよく覚えていない。最後の味噌汁でようやく生き
返ったような気がする。

 2次会も早目に切り上げさせてもらい早々と寝てしまった。5時ごろ一度目が覚めそして再び
眠り次に起きたのは6時半頃だった。太陽が眩しく今日は天気もよさそうである。同室のふじと
もさんは早朝の新幹線の音で目覚めさせられそのまま寝られなくなったという。ずっと新幹線
のそばで育ってきた私にとって今の新幹線は静かな方である。北陸新幹線の工事も進んでい
るが開通したらふじともさん(福井県在住)のような人が結構出てくるに違いない。
 朝から三膳もご飯を食べてしまいぱんぱんのお腹を抱えて競艇場へ。特別観覧席に入ろうと
いうことで8時過ぎに行ったのだが既に満席となっていた。さすがはSGの優勝戦、考えが甘か
ったか。開門は9時10分で1時間以上前だというのに数百人が集まっており出勤してくる舟券
売りのおばさんまで驚いていた。開門と同時に飛び込み冷房の効いた2階の席を確保した。ち
なみに1レースが始まる頃には一般席の座席もほぼ埋まっていたからあの時間に出かけてよ
かったかもしれない。

 
満員の観客                            曙トークショー

 9時30分から曙のトークショーがあるということであちこちで宣伝していた。浜名湖競艇はこ
うしたゲストのショーを定期的に行っているらしい。ちなみに私は15年位前に曙関を見たこと
がある。あれは春場所が終わったばかりの頃、大阪は上本町の都ホテルを通りかかるととて
つもなく背の高いおすもうさんがいた。私が思わず見とれてしまっていると近くにいたサラリーマ
ンが声をかけた。「曙っ」曙関は片手をあげた。確かまだ平幕の頃である。その頃より更に大
きくなっているだろう。パイプ椅子に座っていたがその椅子がいつ潰れるのか、不謹慎ながら
そんなことを考えてしまった。

 朝早くから競艇場に来た楽しみは朝練である。そして誰よりも熱心に併せを練習していたの
が松井繁だった。それを見ていながら大きな恥をかくことになるのだが後のお話。席を確保し
たらみんな場内の探検に向かった。私はスポーツ新聞を買おうと場内を探したが売っていなか
ったので仕方なく駅に行きキヨスクで日刊スポーツを購入した。そんなこんなで開門してからの
1時間あまりはあっという間にすぎ1レースの時間となった。
 このレースは的中したのだが「やばい」と思った。私にはその日競艇場に行って最初のレー
スに的中ししかも3桁配当の場合その日1日じゅう的中しないことが多いのである。このレース
は直前まで10倍以上だったのだが結局980円になった。非常にやばい展開である。そしてこ
ういう当たって欲しくない予感は必ず的中するのものでこの日は見事この後1レースしか的中
しなかった。前日までやる気なさそうなレースをしていた植木も勝利を挙げた。そして朝から気
合いの入っていた松井も意地で初勝利を挙げた。松井ファンを公言していながらこの日は外し
て買っていた私はみんなに馬鹿にされてしまった。
 こんな日は流れを変えるに限る。串カツでも食べて「勝つ」と1マーク近くの店で串カツを買お
うとした。ところがなんと私の前の人で売り切れ。冗談でも作った話でもない。ツキの無い時は
とことんツキに見放されるものである。


1マーク奥にあるオブジェ。ちゃんとプロペラが回るなど芸が細かい。

 この日一番わいたのは8レースだったかもしれない。最年長レーサーの加藤峻二が新美恵
一を道中まくりで競り落とし3着に。本当に還暦を越えているのか?負け戦であっても最後まで
あきらめずに戦いぬく、これがSGである。だてに6着まで賞金が出るわけではない。
 11レースの1980円をとり(これも買ったうちの一番の安めだった)なんとかこの日の負けを
2000円くらいまで押しもどし優勝戦へ。向かい風が強くイン逃げは殆ど決まらないこの日の
状況ならいくらインが圧倒的に強いSGの優勝戦でも危ないかもしれない。川崎の差しか、原
田のまくりか、と迷っていたらスタート展示で6号艇の濱村が前づけに来た。となれば原田がカ
ドを取れるなということで3号艇原田から3=1、3−2,3−6と購入した。
 舟券は3−4となり結局この日は負けに終わったが二日間のトータルではわずかながら勝利
ということになり気分よく浜名湖を後にする。お世話になったみなさん有り難う御座いました。ま
た会う日までごきげんよう。


世紀のフライングのスタート

 フライング返還があったことで全体的に客の引きはもう一つでレースが終了して40分くらい
経っているのにJR新居町駅のホームには人があふれていた。浜松方面の臨時列車がやって
きて(もちろん競艇の為ではなく花博の為の臨時列車)がらがらの電車に競艇客を満載して出
ていった。豊橋方面はというと4両編成の2ドアという信じられない電車がやってきた。車内は
既に通路まで満員でそれを押し込むように乗り込んだ。今日は競艇の大きなレースがあるとい
うことはわかりきったことなのにどうして増結、増発をしないのか。ましてや2ドアで吊革も無い
電車を回してくるJR東海の根性が気に入らない。途中駅で少しずつ乗客を降ろしながら豊橋
へ。ここで特別快速に乗り換えだがJRに嫌気が差したので名鉄に乗ることにする。名鉄の豊
橋駅はJRと共用でホームの上に切符売場がある。切符売場の係員は兼務らしく発車時刻が
近づくと窓口を閉めてしまった。仕方なくそのまま乗り込み車内で切符を買う。どうも今日はタイ
ミングが悪い。

 名古屋でこだま号に乗り換え新大阪に向かう。私の座った座席にはリクライニングも倒され
ておらず誰も座った形跡が無かった。車内のニューススクロールに宝塚記念の結果が表示さ
れ馬も外れたことを教えてくれた。

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