2005年後期
監督:ダニー・ボイル 母をなくした兄弟の下に大量のポンド紙幣が降ってきた。もちろん神様がくれたものではな い。しかし後数日でユーロ切り替えにともない紙くずになってしまう。 で、使いきろうとしたり寄付しようとするのですがあまりもの多さにすぐに足がついてしまう。お 金があれば本当に幸せかを問う映画なのですが主人公がお金の無い家庭というわけではなく もう一つのめりこめませんでした。 (梅田ガーデンシネマ) カーテンコール(2004 日/コムストック) 監督:佐々部清 探偵ナイトスクープのような懐かしの人を探して、みたいな形で物語が進んでいくのですが途 中で大きく方向転換します。 おそらくそちらのほうを監督は描きたかったのかと思いますがそれによって主人公を含めて 「善人」が「悪人」になってしまうところが出てきて訳のわからない状況になってしまいました。 きっちりとテーマを絞っていればわかりやすかったかもしれませんがならばそれなら興行にな らないか。 (シネリーブル梅田) 大停電の夜に(2005 日/アスミック・エース) 監督:源孝志 変電所に障害があっての停電ならその地区は一斉に停電するはずなのですがなぜか順番 に停電していきます。他にもシースルーのエレベータが降りているところを窓の桟が下から上 に動くことで表現しているのですが背景の景色が全く変わらず「動いてないやんけ」と興ざめし てしまうなどもう一つ工夫が足りません。 12人の一晩の行動という設定は面白いのですからもうちょっと丁寧に作ってほしかったで す。 私は金券ショップで前売券を購入したのですが封切り4日目なのに1000円で売られていま した。タダ券大量にバラ撒いたんだろうなぁ。 (梅田ピカデリー) エリザベスタウン(2005 米/UIP) 監督:キャメロン・クロウ どうも設定やストーリーが強引でうまく入り込むことが出来ませんでした。 アメリカの葬式の流れはこういう形なのか…というのは面白かったですが亡くなった夫のこと を妻が語り参列者を感動させそれを見守る息子という設定は伊丹十三監督の「お葬式」のパ クリでは。 (敷島シネポップ) ALWAYS三丁目の夕日(2005 日/東宝) 監督:山崎貴 昭和30年代にいた筈のない私さえ懐かしく思う映像にまず引き込まれます。CGは想像の未 来を描くものかと思っていたらこうして過去の映像を創りだすのに使用する。どこに行っても電 線があり道路が舗装されているなどロケ地を探すのが難しくなった時代劇も今後はこういう形 が主流になるかもしれません。 もちろん懐かしさは映像だけで出てくるものではなく松竹新喜劇のような人情ストーリーもうま くマッチしています。
(アポロシネマ)
まだまだあぶない刑事(2005 日/東映)
監督:鳥井邦男
7年ぶりに帰ってきたタカとユージ。少々アクションがおとなし目なのはやはり二人の年齢の
せいか。昔からのファンである私は非常に楽しめたのですが新たに見た人はおそらくこの軽 さ、くささについていけないのではないでしょうか。
次に二人がハマに帰ってくることはあるのか。多分もう戻らないのでは。
(ユナイデッドシネマキャナルシティ)
サマータイムマシン・ブルース(2005 日/東芝エンタテインメント)
監督:本広克行
タイムマシーンものといえば過去に行って現在を変えようとしたり、といったストーリーが多い
のですがこれは「過去を変えたら現在も未来もなくなる」という科学的根拠?のもと奮闘します がやることなすことが非常にばかばかしく笑えます。最初の方に大小さまざまな伏線を張りめ ぐらせてありそれが後半一気に爆発するようになっていますので一瞬たりとも見逃せません。
(新宿武蔵野館)
サヨナラCOLOR (2004 日/サジフィルムス)
監督:竹中直人
竹中直人の「顔」のせいか大物ゲストが出演していますが一番最初に登場する看護士がとて
つもなく下手で初っ端からテンションが下がってしまいます。(キャスト不明)それに関係なく盛り 上がるストーリーになっているだけに余計に気になって非常に残念でした。原田知世にあんな ことさせるとは・・・竹中直人ならではでしょうか。
(シネリーブル梅田)
ヒナゴン(2005 日/ビデオプランニング)
監督:渡邊孝好
映画の舞台となった中国地方の山村は過疎化が進んでいますがいったん都会に出たものの
再び田舎に住もうという人もまた多いのが特徴です。「街に出られなかった者」も「夢破れ帰っ てきた者」も地元に対する情熱は変わらないぞ、という象徴を存在するのかどうかわからない 「ヒナゴン」が表していたような気がします。
私の田舎も中国地方の山間部だけに非常に懐かしい風景でした。
(第七藝術劇場)
容疑者 室井慎次(2005 日/東宝)
監督:君塚良一
「夢のあるリアリティーのなさ」は見ていても楽しいのですがこの映画のような「夢のないリアリ
ティーのなさ」は白けさせるだけです。そのためにつぎつぎと「ぼろ」が見えてきます。田中麗奈 の淡々としたナレーションまでけちをつけたくなります。
いつ出ようかと思いましたがまあ事件の解決を見るか、と最後までいると私が予想したとおり
の展開になり出りゃよかったという結末になりました。
(ワーナーマイカル加古川)
NANA(2005 日/東宝)
監督:大谷健太郎
宮アあおい演じるハチの回想ナレーションで話は進みますが実際に「現在」は出てきませ
ん。最後も続編がありそうな終わり方になっています。ストーリーがしっかりしており原作を知ら ない私も十分楽しめましたが出演者を見ていると演技と歌を兼ね備えるのは難しそうです。
特にナナとレンが再会するところはよりを戻したのか、最後の一夜だったのか後を見ないと
わからないような演技レベルでした。
(伊丹TOHOプレックス)
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